ボードはボード,CPUはCPU

ASPカーネルディレクトリ構成が決まった瞬間に立ち会った因果で,触れておく必要がありますかねぇ.


ターゲットとは、「プロジェクト」であって「ボード」ではないのかもしれません。そう考えると、なるほどと思えるんですよね。既存のターゲット依存部を利用するから悪いのであって、毎回プロジェクト用のターゲット依存部を、既存の物をもとに作ればいいのです。

概ね外れてはいませんが,割と違います.
いろいろバリアントがありうるよね,ということで,オブジェクトベース的なディレクトリ配置になっています.
"差分で拡張してください"という点では,ほぼ毎回作ればよいというのは間違いではありません.
ただし,それで全てを済まそうという思想でもないはずです.(もしくは,かつては,なかったはずです.) ボードはボード,CPUはCPUです.プロジェクトではありません.

歴史を振り返ると,当初ASPカーネルとTECSとは同時に公開するタイムラインで"デバドラ辺りはぜんぶTECSに任せてしまいたい"というのが,なんとなくの全体の空気でした.ボードのコンフィギュレーションはTECSで記述すればいいじゃない,と.

ところが,TECSはネット透過にしようとした辺りから肥大化/複雑化し,サグラダファミリアになりかけています.そのため,ASPのターゲットコンフィギュレーションは宙に浮いたままです.

当初の「静的で軽量なコンポーネント組み上げシステム」という位置にTECSがもどってくることは,もはや無いかもしれません.現実的な解として,Linuxにおける make config のようなターゲットコンフィギュレータの枠組みを用意すべき時期にあるのかもしれません.

余談

誰が鈴をつけるの? っていう話は難しいのですけれども.
ツール屋さんの得意分野ではありますが,ここを頑張っても売れるのは(ツールではなく)ボードですから.ではボード屋さんが金を出すかというと,結構難しい.
ユーザから金を取れるかというと,超絶に難しい作業でもないので,価格をつけづらい.
また,TECSに期待が繋がっている限り,売りづらい.無料で純正の競合が産まれるかもしれないわけですから.

趣味か研究で酔狂になって頂ける人の登場を,静かに待つしかないのかもしれません.