主役はあなた.プレゼンシートは小道具

私も,なんだかんだで年に10回以上,Keynote*1のお世話になることがあります.聴衆は,一回あたり10〜200名くらいでしょうか.
無料の場合もあれば,有料のときもあります.本業は引き蘢りプログラマですが,金をもらう以上,苦手だから許せとは言えません.無料の場合だって,交通費をかけてきてくれているわけでしょう.営業プレゼンなら,自分のメシが懸かっています.
ですので,プレゼンに関しては色々と思い悩んだり,自分をダメ出ししたり,いろいろ試みたりしました.そんな試行錯誤の中で思うのですが,プレゼンの技術 == プレゼンシート作成技術 に陥ってしまう{こと|人}が,結構いますこのエントリも,本人はもっと深いところが大事だと判っておられると思うのですが,結果としてプレゼンシートの作成技術に堕ちてしまっているようです.


プレゼンテーションは,パフォーマとしての評価をも得て体を成す,私は,そう思っています.
「ああ,面白かった」が先に来て「ああいうプレゼンをする人の奨めには乗ろう」と続く.これがワタクシ的ゴールです.
こういう考えは,高校時代,"攻め*2"の演劇部にいたことが根にあって,普通のビジネス脳とは違うかもしれませんが.


パフォーマとしてのプレゼンテーション技術を磨きたいという人にとって,有意義だと私が思う本を薦めておきます.

プレゼンテーションの進め方 (日経文庫)

プレゼンテーションの進め方 (日経文庫)

ほんのさわりを引用します.

例えば,次の言葉はいずれも擬態語ですが,これらの10種類の似た言葉の違いを明確に説明できれば,プレゼンターとしての言語能力は非常に高いといえます.
「くるくる」「ぐるぐる」「くるくるっ」「ぐるぐるっ」「くるっくるっ」「ぐるっぐるっ」「くるいくるり」「ぐるりぐるり」「くるんくるん」「ぐるんぐるん」
 ここにあげた10の擬態語は,いずれも物が回転している様を言い表しています.それぞれ非常に似通った言葉ですが,しかし微妙なところで多少の差異があります.

こういった能力は,ビジネス…特にコンピューティングのプレゼンテーションでは,軽視されがちです.しかし,分野の論客と言われる(ありていに言うと集客力の高い)人のプレゼンを注意深く聞くと,こういった言葉の細部に(当人は無意識かもしれませんが)気を遣っていると思い至るでしょう.


誤解無きよう巻き戻しておきますが,パフォーマとして優秀だからといって,プレゼンシートをおろそかにして構わないと言いたいわけではありません.両刀が必要って話です.プレゼンシートの作成技術という点では,先に触れたエントリは,うなずける点が数多く有りますし,私も同様の実践をしています.



ま,偉そうに書いている私は,講演後のアンケートに一喜一憂している未熟者だったりするのですけれど.;-)

*1:マカーなのでPowerPointは使わない.

*2:都大会で上位を争っちゃうような