プログラマって,本当に楽しい職業なのか. 私見.
先日の日記のフォローアップ.
他エントリのトラバ発ではないのに,じわじわとブクマやブログで取り上げて頂いたようですねぇ.
提起だけして話を閉じてもよいかなとは思ったのですが,
プログラミングは趣味でやるのが一番なんだと思う。糧にするなら別のことがいいと思う。(id:icloud)
というブクマコメントもついたので,一応,職業プログラマとしての私見は書いておこうと思います.
まず,「お前は楽しいと思っているのかよ?」という仮想質問への回答.
「"楽しい"と思っている」です.ここで,"" で括ったのがミソ.
楽しさには,非破壊な楽しさと,破壊的な楽しさがあると思うのですよ.
前者は,恋人と公園でひなたぼっこするような,とか,軽く散歩する,とか.(書くと陳腐だなぁ)
後者は,浴びるように酒を飲む,とか,筋肉痛めつけて肉体改造する,とか.
プログラミングっていうのは,趣味にせよ職業にせよ,後者の破壊的な楽しさに近い行為だとおもうわけです.
ジャンキーがジャンキーのまま社会との接点をもち働けるのがプログラマという職業なんだろうな。(id:KoshianX)
脳内麻薬が出てるときは楽しいよ (id:tarchan)
その他,非トラバ非ブクマでリンクを頂いたサイトでも似たような意見があったようなのですが,私もこれらに近い意見です.
プログラミングという行為に対して適性がある人が感じている楽しみを,外から疑うような意図はありません.
しかし,適性が無い人,もしくは過剰適応してしまう人が心身を病むリスクは他の職業よりも高いらしいということが,プログラマについては定性的に言われています.定量的なデータもいくつかあるようです.
結果的に自分が楽しいと思えれば何でもいいのだけれど。(id:ardarim)
全くそのとおり.
自分がジャンキーな魅力に取り憑かれてどうなろうとも,自分で落とし前つければよいとは思います.しかし,他人に…典型的にはこれから社会に出ようという若者に…勧めるとき,単に楽しいとだけ言ってよいのかどうか.
楽しいことは,人に勧めたくなる.それも判ります.プログラマが社会のインフラを支える職業の一つになって久しく,担い手を維持することが重要なのも判ります.
だからこそ,リスクも含めて,判ってもらう努力が要るのかな,と思うわけです.そのまえに,職業プログラマ自身も,リスクに関する暗黙知を改めて自覚してみる必要も.
まあ「10年間は泥のように働け」的なスジが違ったリスク宣言はカンベンして欲しいですが.あれはプログラマのリスクではなく,ITゼネコンに固有の奴隷契約にまつわるリスクですから.