多重下請けをなくす営業ができるSEは会社に居ても変ではない.

協業打ち合わせで某EDAベンダへ.
「DDDとかinsightとかソフト屋さん嫌がるでしょう? ICE屋さんのデバッガにすると高価だってお客さん言いますよね? そこで弊社のコレですよ.インストールも簡単.GDBも安定動作.コンパイラ付き.しかもこのお値段!」
深夜のテレビ通販はとっても参考になる.滅多に見ないけれど.



多重下請けをなくす営業ができるSEなんて、そんな人は会社というものに属して無いよ。だって、自分ひとりで仕事したほうがよっぽど儲かるし、人が足りないんなら人を雇って会社作ればいいんだし。
「人を雇って会社を作った」としたら,その人は会社に属する.っていうか,会社作るってていうのは*1法人と一蓮托生になるということとほぼ同義.融資受ければ保証人.エクイティなら訴訟リスク.
職能という切り口で考えると,営業と技術という2つの職能を持つ多能工が,さらに経営という職能を持つに過ぎない.営業や技術を雇った人に任せて自分は経営に専念…というのは現実には難しく,また戦略的にもイマイチ.だって,営業や経営を遂行するにあたって,技術も判るっていうのは圧倒的なアドバンテージだと世間は考えているもの.ホンダ,ソニーマイクロソフト…枚挙に暇無し.


私は後の祭り的に気付いたが,経営という職能は他の職能に比べて格段にギャンブル性が高い.経営なんて割に合わないと判る賢い人の中に,今勤めている会社の枠の中で"多重下請けを無くす営業"をする能力を活かそうと考える人がいても不思議ではない.賢い人がそのように動くには,相応のインセンティブが必要だろうけれども.
多重下請けを無くす営業が社内に居ないとするならば,それは多重下請けから脱却することに対するリスクメリットを"多重下請けをなくす営業ができるSE"に対して示せていないからのではないかな.人事とか経営の問題.

*1:株式会社のような物的会社だとしても