SWEST11総括(個人的)

昨日から今日にかけての話題*1.感想文.

人工衛星プロジェクト〜本命ミッションは人づくり!〜」

TOPPERS/HRPカーネルの開発者として得るものがあるかなぁと思って聞き始めたら,その辺の話は「何も難しいものではないから」とすっ飛ばされた.時間の大部分は,何でも作れるけれども,製品に落とし込めなかった(或いは現在も落とし込めない)中小企業集積地である東大阪の現状と,それに対してどう動いていったかという話.

hackの話で参考になるものを期待したSWEST@加賀温泉で,よもや墨田区産業振興会議で使えるネタが聞けるとは思わなかった.

しかし,大阪弁が強くマイク使いが上手でないので,神奈川以西には住んだことがない私には,キーワードを拾うのがやっとで半分近くが聞き取れず.ちょっと残念.

C言語ベース設計に対する高位設計検証技術」

んー.力技でやっていたものがちょっとの工夫で飛躍的に進歩して,これからも進歩するかもしれなくて,そろそろ短いものに関しては実用かもよ.という話…なのかなぁ.ハードウェア設計はズブの素人なので判らないなりに.
「lintと同じで,warningが山ほど出る.その中で,バグの可能性が高いものを上位にもってくるのがツールとしてのテクだ」という話があって,発表の本論ではないのだけれど,ちょっと興味深かった.

懇親会(夕食)

着席で静かに始まったので,これは人の流れを掻き混ぜないとつまらん,と判断してお酌巡り.後半,いい感じに人の流れが混じってきて面白かった(個人的には).
Automotive系Eclipseで名が知られているgeensysの方々と名刺交換…っても名刺切れてしまって恐縮.先方はPizzaFactoryは知らなかったようで,SWEST界隈での高い知名度とのギャップに驚いていたらしい.

古今東西,雑誌編集者言いたい放題」

タイトルに反して,CQの方のみという.そういえば「次回の組○○プレスで忙殺されています,」という某社編集の方のメールを頂いていたなぁ…なんともはや.
まあ,酒入った後なので,何言ったか覚えていません.そういうことにしておいてください.

「XX分で分かるモデル検証」

寝坊して途中入室した上に,昨日の酒と睡眠不足で,検証するどころか私の身体を検証してもらいたい状態.コンテンツだけ頂いて退散.失礼なことをしました.

「仮想化な,まああてにするなひどるぎる乱立」

タイトルに期待していたのだけれど,引き合いに出たのはXenKVMくらいですか.あとは昔話.プレゼンシートを鵜呑みにするなら,乱立してないじゃん,とか.

実は,仮想化がネタとして良いのではないかな,とSWESTの委員に提案したのは私だったりして.あまりウダウダいうと,じゃあお前来年は壇上に立てという話になるので(ry.

「組込みシステムでのEclipse = オープンソースを通じての複雑性の克服 =」

昨夜の懇親会で個人的に挨拶した人が壇上に.ARTOPのStephen Eberleさんでしたか.あの時点で酔っぱらっていたから名前を覚えておりませんでした.失礼過ぎですごめんなさい.

まあ,一般論です.よくまとまっています.特別講演だから,このくらいが正しいかもしれませんね.自社の優位性の部分については,存在することだけ匂わせて,さらっと流したのも好印象です.プレゼン慣れしてるなぁ.

とか言いつつ,英語なのでプレゼンシート無しではついていけなかったことを告白しておきます.質問も日本語で行ったりして.返答判らず通訳お願いしたりして.ダメだ.ダメすぎる私.もうTOEIC300点以下かも.

Androidとは? 〜組み込み視点から〜」

タイトルを含む3つのプレゼンの合わせ技.シートは日本Androidの会からダウンロード可能だそうです.
組込みっても広いのですが,別に組み込み視点とは思えないなぁ,というのが率直なところ.
qemu でハードソフト協調開発の可能性!」というのは判りますよ.てかそういうhackを納品したのは半年前ですもの.ネタとして壇上で披露する程のことかなぁ….
センサやGUIツールキットを含む広義のUIを視点としてiPhoneAndroidの違いを示したプレゼンは面白かった.
シェルさえ無いディープな組込み屋の私に蛇足させてもらうと,センサUIとGUIを同じ俎上に載せて良いなら,GUIが無いAndroidってのもありえるわけですが.プレゼンターは本職が携帯電話屋さんだそうなので,その辺りはまあ日々の立ち位置の違いに基づく見解の相違ってことなのかもしれません.

あと,「JITが無いと遅いのでは?」という問いに否定的な回答がありましたが,現時点でDalvikVMが遅いのは割と一般的な見解なのではないかなと私は理解しています.特にGCが遅いのは致命的で,この修正の副作用でx86系がズタボロになった時期もあります(今は治った?).数値やコードで説明してもらえないと納得できねぇなぁと思いました.いくらカジュアルとはいえ,ワークショップですし.

Androidを語る!」

前のセッションから引きずってしまい,完全にUI系の話.別会場で展示されていたパネル発表にはUIがほぼ皆無だった(つまりUIに興味がある参加者はあまり多くないはず)しで,パネルだけが盛り上がってしまった風に見えます.カーネルハック系のパネラーの一人はやや興味失っているふうでしたし.

スマートグリッドでビジネスモデルって話がパネラーからも出ているし,聴講者にはマルチプロセッシングの連中もいるし,そういう組込み屋さんの視点ってもう少し違いますよね.intentで変わるプログラミングスタイルの話とか,書き直したlibcがnewlibの代替となり得るか否かとか,ビルドシステムがどうなっていて何が嬉しくて何が哀しいのかとか.その辺ではないのかなと.
いやこれらに関しては持論やhackが既にあるので,私個人にとっては,敢えて聞く必要は無いっていえばそのとおりなのですが.

まあパネルセッションというのは,テレビを見るかのように壇上のお話を聞くというのが王道でしょうし,壇上の盛り上がりを見る楽しさは十二分にありました.ツボにハマった人にとってはものすごく面白いセッションだったろうと思います.

*1:書いたのは8/31