著者献本

例によって,Interface誌の総集編.熊谷あき氏による若干の書き下ろしも収録されている.

起動プログラムブート・ローダ入門 2009年 09月号 [雑誌]

起動プログラムブート・ローダ入門 2009年 09月号 [雑誌]

この手の技術解説総集編の最大の敵は,たぶん,技術系のブログやwikiなのだろうなぁと,ざっと読んでみて改めて思う.
初出から時間が経っているものの一部に,情報の鮮度がやや残念なものがある.

私が寄稿した部分は,初出執筆時点で,TECH Iで再利用されるであろうと予想できた.そのため,鮮度劣化が少なくなるようなネタで押さえてある.(正直に言うと,同様の総集編本であるTOPPERS本では,心残りな箇所がいくつかあり学習した.どこなのかは敢えては言わない.)

μITRON準拠TOPPERSの実践活用―製品開発にも学習教材にも使えるフリーのOSプラットホーム (TECH I Embedded Software)

μITRON準拠TOPPERSの実践活用―製品開発にも学習教材にも使えるフリーのOSプラットホーム (TECH I Embedded Software)

どう書けば鮮度劣化を防げるのかというのは,書き手のコツみたいなものもあるが,何を書くことを期待されたかということも大きい.今回は,ソースコードを静的に追いかけるという内容だからやり易かった.しかし,開発環境が絡む場合は,そうもいかない*1.ブログやwikiなら,都度記述をアップデートできるが,雑誌書籍の場合は,その辺のスケジュールは出版社の都合で全てが決まる.TECH Iのような総集編モノの場合は,月刊誌並みにタイトなスケジュールな場合が多いので,著者としても,大きな修正はできない.

かくして,コーディング中に悩んだ時は,本屋に行かずにgoogle検索.著者のブログがヒットする.書籍は書籍のメリットを出さないと辛いのではないかなぁ.難しいですなぁ.

*1:オープンンソースツールは日進月歩