「ソフトウェア開発」は「モノ造り」か


いつのころからか、
ソフトウェア開発がモノ作りに喩えられるようになった。
典型的なのは、製造業(例えば自動車製造)と
IT 業界とを比較して、
前者が高度にシステム化されているのに対し、
後者がまるで家内制手工業のようだ、という批判である。
クルマ業界とソフトウェア業界の「モノ造り」の在り方については,なぜか比較されがちで,私も過去に何度か日記に書いた記憶がある.
まあ,設計と製造のフェーズ分けが違うよ,というのが落としどころなのだろう.上記引用エントリも,私の過去の日記も,そんな結論だった.

そんな感じで個人的には収束したネタだったのだが

先日SWEST11の招待講演での前SOHRA理事長竹内氏の見解を聞いて,再度考えさせられた.

マスコミにとって「もの造り」は「手作り」ってことなのです.でもそんなの時代遅れですよね.ここにいらっしゃる方で,手作りのものを身につけておられるのはどれくらいおります?

(筆者要約)
確かに下請け系中小製造業の取り上げられ方は,技術というよりも技能だし,クルマの量産とはどう考えても違う.しかし同じ「モノ造り」という語は使われる.

この揺れは「モノ造り」が語として使われ始めてから10年そこそこしか経っていない上に,いわゆるbuzzword的に使われすぎたことを示しているのか.
日頃,buzzword大好きなシステムエンジニア(笑 を揶揄しまくっている私.人のこと笑えないなと自省した次第.