仮想化
実は昨日締め切りだったような気がする特集記事執筆.組込みにおける仮想化ってネタ.やっと文章書き終えました.図表がまだ.がーん.
buzzword大好きなデスクトップ/エンタープライズの人々は,ここ数年VT-xやらAMD-VやらXenやらHyperVやらといつものように舞い上がっているわけですが,リアルタイムカーネルってCPU(のレジスタセット)の仮想化を行っている立派な仮想化支援環境なワケですし,プロセスっていう概念は仮想実行環境を提供する壮大な目論見なわけです.
なぜあんなに騒いでいるのか,私としてはさっぱり判らんわけです.…いや言い過ぎか,まあ確かに1台で開発環境と仮運用環境が動けばいろいろ便利で嬉しいってのは判らんでも無いし.でもそれだけならVMM支援機構なんて要らなくてバイナリトランスレータで十分だし.
- 作者: 岡崎世雄,全先実
- 出版社/メーカー: 共立出版
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とにもかくにも,結局,システムソフトウェアの歴史って,アプリケーションからハードウェアを隠蔽しようとした営みの連続だったわけで,基本的な技術はVM/370辺りで固まっていて,この本読めば大半はOKなのではないかと.この点は,先日のSWESTでアックスの竹岡さんが仰っていたことと全く同感.
CMSとかMVSとか判らない世代なら,MINIXバイブルも併用,
オペレーティングシステム―設計と理論およびMINIXによる実装
- 作者: A.S.タネンバウム,A.S.ウットハル,今泉貴史,Andrew S. Tanenbaum,Albert S. Woodhull,千輝順子
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そうやって本を並べて考えてみると,組込み屋さんって大変だよね.タスクスイッチャからハイパバイザからディペンダブルから,30余年のシステムソフトウェア史にある全ての技術を現在進行形のものとして理解していないと一人前扱いしてもらえない.なのに,組込み視点で仮想化とは何かという話を正面切って書いた記事って見たことがない(ああ,Intel/AMDのアレにのみ絡んだ商品解説記事は何度か見かけましたよ).
…書いてみて「こりゃ大変だから誰も書かないわけだ」と気づいたわけですが(←走りながらモノを考えるタイプ)
そんなわけで,そのうち店頭に並ぶ日もあるかと思うので,チェケラ.
…そのまえに図表書かなきゃ……締め切り…