国税庁が先か,SI企業が先か.

事業年度をまたぐ開発費の仕訳

私が勤めている会社は,今月末が決算.
今まで,開発途中のものは,税理士さんの言われるまま仕掛金として計上してきたのだけれども,

  • 受託開発で,数ヶ月以内に売上に計上される予定のもの
  • 自社開発で,来事業年度内に売り出すけれども,売上額については皮算用のもの
  • サポインの認定計画通りに動いているけれども,現金化については…てかできるのかホントに?
  • 基礎研究とか,実験とか,オープンソース公開しちゃったしブログでネタバレしちゃったしとか,どう考えても売り上げ狙ってないだろコレ,というもの

というふうなものがごっちゃになっていて,気づけば単期売上高の1/4を占める額に.


さすがにこりゃ金額が目立つし内容判らないし,人に見せる財務書類としてはどうよ,エラく怪しくない? と思い始めて税理士さんと相談.しかし,税務についてのプロが財務諸表のプロとは限らない.確定申告書と財務諸表は形式こそ同じものの,全く目的が違う書類だっていうのは,会社の金庫番をしたことがある人にとっては常識.
そういう経験が無い人は,この辺りを始めとする同筆者による一連の書物をどうぞ.(どれか1冊読めば十分)

会社にお金が残らない本当の理由

会社にお金が残らない本当の理由

もちろん,ソフト屋の財務のプロでもありえないのが現実.


仕方ないので,自分で調べました.


【ソフトウェアの会計処理】

(1)研究開発目的 →発生時の費用(研究開発費)

(2)研究開発目的以外

(ア)販売目的

受注製作の場合 → 請負工事に準ずる

市場販売目的  → 無形固定資産

(イ)利用目的    → 無形固定資産
この辺から大枠を理解した後で国税庁のタックスアンサーを漁れば,だいたいどうすればよいのかが判る.

請負工事に準ずる

しかしまあ,請負工事に準ずる…か….
業容として,土木とSIerは似ているとよく言われる.個人的には飲食業(サービス業)に近いと思うのだけれど,税務から見ると,確かに土木のほうが近いような気はしてくる.この現象,もしや,ソフトウェア開発という新しい業界に対して,新しい基準を作るのを嫌がった頭堅い税務役人の偉い方々が,土木に当てはめたってことなのではないか.とかとか陰謀論
土木に似せたのはSI企業が先なのか,国税庁が先なのか.大いなる謎.