応募殺到講座のキーワード

No.
衆人の耳目を集めるのは,いつの世でも「鮮度」と「周知」でしょう.


資本主義社会において「無料」であることは珍しい(新鮮)なので,短期的に話題になります.しかし,人はすぐに慣れてしまいます.
「無料」戦略の恐ろしさは,その鮮度が落ちた後に,他の戦略を取るだけの体力が奪われてしまうというところです.
一般論として,慣れが来たら次の手を打てばよいのです.しかし,「無料」戦略のばあいは,それが困難です.
「鮮度」を保つにも,「周知」を徹底するにも,金が要るのが資本主義なので.


つい数年前のソフトウェア業界も,Linuxバブルに浮かれた人々が,この罠の餌食になりました.生き残ったのは,豊富な資金力がある大企業か,オープンソースに対し(直接的|間接的は別にして)値段をつけることができた企業だけです.


「無料」では続かない,というのは,冷静に考えれば割と当たり前のことです.会社を作ろうと考えるような人は,例外無く世間の平均よりも経済や経営に関する知識はあるものです*1
なのに,会社を作るという並外れて気力体力を使った後は,なぜか「無料」戦略の罠に引き寄せられがちだったりします.難しいですねぇ.
振り返ると,TOPPERSとかGNUとかEclipseとか,値段がありそうで無さそうなものを商材にしてきた私も例外ではありませんでした.

*1:仮に最初の時点で知識が無かったとしても,登記を完了し事務所を開くくらいまでの間に,OJT式に世間から叩き込まれることになります.