OSS開発者にとって,Mylyn/Mylar は便利.

タスク指向UIという新機軸っぽいものを全面にだしてしまったために,イマイチとっつきづらい印象を持つ人が多い,Mylyn*1

しかし,作者が一押しする機能以外のところに使い勝手のよさが光るのは,ソフトウェアの世界ではよくあること.食わず嫌いのあなた,EclipseOSS開発する人は使わなきゃ損です.

OSSにどっぷり浸かると何に困るか.

…そう.単にフリーライドするなら気にならないのだけれど,バグを指摘したりパッチを出したりしたいと思ったら,バグトラックシステム(BTS)に投げ込まなければいけません.
まあ,GDBのように,BTSでなくpatches-MLに出したほうが応答が早いプロジェクトもありますが,MLだと稀に放置食らったりもするので,やはりBTSには価値があります.

私,GCC, binutils, gdb, Eclipse, TOPPERS に(程度の差こそあれ)パッチをコントリビュートし,いくつかのプロジェクトをsourceforge.jpsourceforge.net に持っています.
あ,mojo にもアカウントがあった気がする.Google Code にもあったかな?
会社ではプロジェクト毎に Trac が立っていて,進捗は概ねチケットで管理しています.

私と同様に複数のOSSプロジェクトを掛け持ちしている方なら深く頷くでしょうし,そうでない人も想像はできるでしょう.自分が発行したチケットがどうなったのか,把握できなくなってきます.

BTS巡回ツールとしてのMylyn

そこで,Mylynです.Mylynには,Connectorというプラグインがついてきます.これは,既存のBTSをMylynのタスクリポジトリに結合してくれる機構です.
これを使うと,TracやBugzillaで立てられたBTSサイトをTask Repositoryという形で抽象化してくれます.また,Task Repository に紐づく Task List という概念があって,チケットの絞り込みを指定できます.


Mylyn以外にも把握するための方法は無くもないです.大抵のBTSは,変更があったときにメールで通知してくれる機能があります.でも,メールは速報性という点では悪く無いソリューションなのですが,一覧性に欠けます.
また,メールは危険です.確認中に,大した緊急性もないのに優先度:高で送って来る仕事メールが来たりすると,気になって仕方ありません.(私だけ?)


Mylynは事前に同期をしておけば,オフラインでも,BTSの内容を参照できます.同期したときに他の人との投稿と時系列に入れ違う可能性を無視できるなら,オフラインでの修正も可能です*2.自分が何をすべきなのか,BTSから思い出すことができます.Mylynと同時にsvkでもいれておけば,新幹線の中でも飛行機の中でも,hackしほうだいです.メールやwebの誘惑を断ち切れる分だけ,オフラインで作業するほうが効率的かもしれません.



使いこなしにコツはあるっぽいのですが

リリースされてからかなり経つプラグインなので,検索すればノウハウはそれなりにあります.でも,利活用がイマイチなプラグインの悲しいサガ.痒いところに手が届く情報は多いとはいえないかもしれません.


気が向けば書きます*3

*1:以前はMylarと呼ばれていた

*2:私の手元環境では,オフライン時にTracの新規チケットを切ることができない.

*3:結局いつもコレ